飛んでいったこぶ
ほっぺにこぶとりじいさんのようなこぶが出来た。弟がのぞきこんであれ~と笑う。くやしくて涙が流れてこぶを洗った。するとこぶから羽が現れて羽ばたいた。てんとうむしだ。てんとうむしは大きな空へ飛びたっていった。私は弟と一緒に手を振っててんとうむしを見送った。さようならてんとうむし。てんとうむしは空へ吸い込まれるように消えていった。
ほっぺにこぶとりじいさんのようなこぶが出来た。弟がのぞきこんであれ~と笑う。くやしくて涙が流れてこぶを洗った。するとこぶから羽が現れて羽ばたいた。てんとうむしだ。てんとうむしは大きな空へ飛びたっていった。私は弟と一緒に手を振っててんとうむしを見送った。さようならてんとうむし。てんとうむしは空へ吸い込まれるように消えていった。
海辺の崖の岩を握りしめながら見下ろすと岩場だった。心臓が鳴るのを抑えながらようやくはしごを見つけて降りると、暗がりには目の大きな少女がうずくまっていた。暗がりの岩場で出口を作って外に出ると、多くの人々が波間で遊んでいる。自分も波の乗って遊んでみたがどうも面白くないのはどうしてだろう。ああ、それは自分がひとりぼっちだからだと気がついて浜辺に戻ると、暗がりにいた少女が待っていた。人のいなくなった浜辺で一緒に焚き火を囲み、しし唐を食べながら月の話をすると少女はしくしくと泣き出した。何故少女は泣くのだろう。僕はそこがどこなのかそして自分が誰なのかもよく分らなかった。
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