色彩のある家
1、審判なのにホームベースに届いた球を捕ろうとしたら逃してしまった。
2、坂を上りきったところで道は鋭角に別れ、その間に色彩のある家があった。
家は大きくも小さくもなく茶色の壁に直線的な装飾がしてあって、道に沿ってたどると結構長い。玄関への小さな回廊前には大きな四角い屋根がせり出している。玄関の回廊は何かをまたいで進まねばならず、玄関を過ぎると赤いスリッパがいくつも脱ぎすてられていた。引き戸は閉じられ、人の姿は見当たらなかった。右手から光がいきよいよく差し込んできたとおもったら妻がごろねをしている。小さい人が訪ねてきたと思ったら虫だった。
家にたどり着くまでの道で行き交う人々は誰も色彩が豊かだった。二つに分かれた道の間に立つ家を見たとき、それが理想の家だということが啓示のように理解できた。
今書いてみて気がついたが、それはぼくの家だった。言い換えればその家はぼくだった。美しい道の間に建つ端正な家。今朝見てから今まで僕はそれと気がつかなかったが、それは僕の中で僕を待っていたのだ。


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